広島大学は2013年7月3日、奥歯の喪失がアルツハイマー病の悪化の原因となることを突き止めたと発表した。
実験は遺伝子操作によってアルツハイマー病を発症させたマウス17匹を用いて行われた。
暗い部屋に入ると電気ショックが与えられることを覚えさせて10匹については左右の奥歯6本を抜いたところ、4ヵ月後、歯を抜かなかったマウスは7匹すべてが暗い部屋に入らなかったのに対し、歯を抜いたマウスは10匹のうち6匹が暗い部屋に入った。
噛むことが影響か?
これまでアルツハイマー病の症状が進む原因としては、脳内に異常なたんぱく質が蓄積することがわかっている。
しかし実験では原因となる異常なたんぱく質が蓄積した面積に差は見られなかった。
歯を抜いたマウスのほうが記憶をつかさどる脳の海馬の細胞の数は少なくなっていた。
噛むことによって脳へ与えられる刺激や脳内の血流量が減少したことが影響しているのではないかと考えられている。