立川活き活き歯科の日記

歯やお口に関係することはもちろんのこと、健康に関する記事を載せていきます。

健康の秘訣は『よく噛み、よく話す、よく笑う』

心臓から上の血流を良くするのは噛むことだと以前お伝えしましたが、もう少し詳しくご説明します。

まず、歯は食べ物を噛むという役割の他に、脳の血流を良くするという重要な役割も担っています。

顔の左右にはたくさんの翼突筋静脈叢(よくとつきんじょうみゃくそう)という静脈叢があり、脳で使われた血液はここを通って心臓に戻ります。

ですから噛む以外にも話す・笑うなど、口を動かすことが少ないと当然、脳などの血流(血液循環)が悪くなります。

また、片方の歯でしか噛んでいなければ片側の脳の血流が悪くなりますので、口腔内環境を整えておくことが大切です。

 

脳の血流が良くなると下記の通り良い事がたくさんあります。

1.運動野・視床(ししょう)・運動の学習や記憶に関わる小脳などの活性化が起こります。

 2.前頭前野(最も知的で論理的な機能が集中している)も活性化します。

 3.海馬の機能である空間認知能力が回復します。物の形や自分のいる位置や方向などを把握する能力です。

 4.多くの情報が脳に伝わるので記憶力もアップします。

 

これらの機能は年齢に関係なく活性化するので、高齢者など、よく噛めるように歯を治療すると能力が回復する事例が多数あります。

 

  

【ひみこの歯がいーぜ】

1990年に日本咀嚼学会により、よく噛むことの効用として、『ひみこの歯がいーぜ』という標語が作られました。

よく噛むことの効能には、『肥満予防』『味覚の発達』『言葉の発音がはっきり』『脳の発達』『歯の病気を防ぐ』『ガンの予防』『胃腸の働きを促進』『全身の体力向上と全力投球』があることから、頭文字をとって作られた標語です。

 

弥生時代の人々は1回の食事におよそ4000回も噛んでいたこともあって生まれた標語なのです。

 

食べ物の消化を助けたり、脳を刺激して発達を促したり、病気の予防をしたり、様々な効果をもたらすことがよくお分かり頂けたかと思います。

 

弥生時代と食生活の違いはありますが、私たちも卑弥呼に倣い毎日意識して良く噛み、よく話し、よく笑っていつまでも若々しく健康でありたいですね。

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※図の出典:8020推進財団より http://www.8020zaidan.or.jp