立川活き活き歯科の日記

歯やお口に関係することはもちろんのこと、健康に関する記事を載せていきます。

歯肉縁下歯石とは

歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)とは、歯肉縁より下、つまり歯周ポケット内の歯根部分に付着した歯石のことで、歯周ポケットからの浸出液や血液に由来するヘモグロビンなどを含むため、黒褐色でとても硬く、縁上歯石と比較して付着する速度は遅いものの歯面への固着力が強く、除去は非常に困難です。


また、外からは見えない部分に付着するので通常の歯石取りでは除去できないため、特殊な器具を使って歯周ポケット内の歯石を取り除く、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)という歯周治療が必要です。


縁下歯石の中にはたくさんの細菌が住んでいるので、付着すると歯肉の炎症が酷くなり、通常密着している歯と歯肉が剥がれて更に縁下歯石が付着しやすくなり、歯周ポケットが形成されます。

この縁下歯石とその中に住む大量の細菌が歯周病の一番の原因で、縁下歯石が溜まるとプラークが付着しやすくなるので更に縁下歯石が溜まり、歯周ポケットもどんどん深くなります。

深くなった歯周ポケット内のたくさんの細菌は、歯肉に炎症を起こすだけでなく、やがては歯を支える大事な土台である歯槽骨まで溶かしてしまいます。


歯槽骨が溶けてしまうとと歯の支えが弱くなってしまうので、支えを失った歯はグラグラと動揺するようになり、最終的には自然に抜け落ちてしまいます。

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