立川活き活き歯科の日記

歯やお口に関係することはもちろんのこと、健康に関する記事を載せていきます。

知覚過敏について

知覚過敏ってなに?

冷たいものを口に含んだ時や歯磨きの時などに、「歯がしみる」というような一過性の(短時間で消える)痛みが出ることがあります。

この場合、原因の一つとして考えられるのが『知覚過敏(象牙質知覚過敏症)』です。このような症状をお持ちの方の多くに、歯頚部[しけいぶ](歯と歯茎の境目)が欠けている「楔状(きつじょう、またはくさびじょう)欠損」や、噛み合わせ部分のすり減りなどが見られる傾向にあります。

虫歯が原因でも似たような症状が起こることがあります。 

≪知覚過敏の原因≫

知覚過敏の主な原因は、何らかの原因で歯の表面を覆う「エナメル質」や、歯の根っこの表面を覆う「セメント質」の一部が欠けて(または削れて)それらの内側にある「象牙質」が露出してしまうことにあります。

そこに飲食物や胃酸による刺激や、不適切なブラッシングによる刺激などが歯髄(歯の中にある神経)に伝わり、「歯がしみる」という症状が起こります。

また、過度のホワイトニングや、虫歯や歯周病の治療の後に、歯に加わった刺激によって知覚過敏の症状が出ることもあります。

このようなケースのほとんどは時間が経つことによって症状が治まりますが、症状が強い場合は歯髄を取る処置が必要となることもあります。

知覚過敏の症状は、体調によって症状が出たり、出なかったりすることもあります。時々しみるようなことがあれば、症状が悪化する前に、歯科医にご相談されることをお勧めします。  

 

知覚過敏のほとんどは生活習慣が関与していることが多いため、歯科医院での治療と併せて、患者様自身が症状を抑える取り組みも必要となることがあります。


●歯科医院で行う治療

<刺激を遮断する治療>
歯や根っこの一部の表面が欠けて(または削れて)いる場合は、歯がしみるのを緩和する薬を塗る、または詰め物を埋めるなどをして刺激の伝達を防ぎます。 

<噛み合わせの治療>
くいしばりや歯ぎしりなどを行っている場合は、噛み合わせの調整やマウスピースの装着をして、歯にかかる負担を軽減させ、歯の欠けた部分を拡大させないようにします。

歯周病の治療>
歯周病の場合は、炎症が進むにつれて歯を支えている顎の骨が痩せて(吸収して)、歯の根っこが露出しやすくなりますので、炎症の原因である歯の周りに付着したプラークや歯石を取り除く治療が必要となります。治療後に刺激によって症状が一時的に強く出ることもあります。この場合は、<刺激を遮断する治療>を併せて行い症状を緩和させます。 

<抜髄(歯の神経を抜く)治療>
知覚過敏の症状が強く日常生活に支障をきたす場合は、歯髄を抜く処置になります。

しかし、歯髄を抜いてしまった歯はもろくなりやすいため、最終手段として用いられます。


●日常生活での対策

<症状の誘発を抑える>
飲食物(外因性の酸)によって症状を引き起こしている場合は、ワインや、果物、酢、ヨーグルトなどの酸性度の高い食品の摂取を控えることが必要となることもあります。また、胃酸(内因性の酸)によって症状を引き起こしている場合は、医科と連携しながら、喫煙や、チョコレート、アルコール、コーヒーなどの刺激物の摂取を控えることが必要となることもあります。

<適切なブッラシング>
適切なブラッシング方法は一人ひとりによって異なります。歯科医師や歯科衛生士から、磨き方のコツや歯ブラシの選び方などの指導を受け、症状を悪化させないようにします。

<知覚過敏用の歯磨き粉を使う>
硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが含まれる歯磨き粉を使うことにより、歯髄に伝わる刺激を和らげることがあります。

継続的に使うと効果が出やすいとされています。

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