立川活き活き歯科の日記

歯やお口に関係することはもちろんのこと、健康に関する記事を載せていきます。

歯の神経を抜く(取る)ってどういうこと?

多くの歯科医院では歯の神経と言い、むし歯で痛くなった歯を治療する時に歯の神経を取るといいますね。しかしこれは正確な表現ではありません。神経と呼ばれるものは正しくは歯髄(しずい)と言い、歯の象牙質に養分を補給している組織で、毛細血管の集合体です。

組織ですからその中には当然神経も存在します。虫歯などで歯髄まで穴が開くと、ばい菌が入り、歯髄がばい菌に感染して炎症が起きます。炎症が起こると大抵の組織は腫れますが歯髄は固い歯の中に密閉されているために腫れることができません。その結果、内圧が高くなり、組織内にある神経を圧迫する為、血圧のリズムに合わせてズキズキと痛みが発生し、夜も眠れない状況へと移行していきます。

こうなると象牙質を柔軟に保っていくための補給庫である歯髄も痛みを取り除く為には切除する必要に迫られます。歯髄を取ってしまった歯は、栄養補給が受けられない為、時間の経過と共に枯れ木のようにもろくなり、色も黒くなっていきます。そして歯は噛むことが商売なので、歯髄除去後の適切な処置が施されていない歯は、その噛む圧力に耐え切れず、歯髄の無い歯は時間の経過と共に欠けたり折れたりしてしまうわけです。
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