【歯磨き中に出血するのはなぜ?】
ブラッシングで血が出ると、たいてい歯ブラシで歯ぐき(歯肉)を傷つけているせいだと思われがちですが、実はそこで細菌と白血球が戦っているせいなのです。
細菌の塊である歯垢が歯と歯肉の境目に溜まると毛細血管がそこに寄ってきて、自分の体を守る白血球がここに集まって来ます。
歯肉が赤く腫れて見えるのはこのせいですし、細くて弱い血管なので歯ブラシで簡単に破れて血が出るのです。
つまり歯ブラシを当てて血が出るのは、そこにいつも磨き残した細菌(歯垢)がいますよというシグナルなのです。
したがって、血が出る部分はもっと頑張ってブラッシングしなくてはいけないということなのです。
【歯茎から出血する原因】
歯茎の出血が起こる可能性があるのは、次のようなものがあります。
■歯周病(歯槽膿漏)
歯茎からの出血で、最も多いのが、歯周病菌が原因の、歯茎の炎症です。
歯と歯茎の境目の溝の内部にある汚れや、歯石などを完全に除去できれば、炎症が収まり、出血しなくなります。
■歯と歯の間の詰まり
歯と歯の間に物が挟まりやすいのは、繊維質です。
次から次へと挟まるために、歯茎を圧迫していきます。
歯周病菌の温床となりやすいので、出血が起こりやすくなります。
■不適切なブラッシング
ブラッシングの際、硬い歯ブラシを使用して、力任せに大きなストロークで擦ると歯茎に傷をつけてしまいます。
この場合の出血は僅かに血が滲む程度です。出血しない時もあります。
■歯肉癌
きわめて稀にですが、「歯肉癌」が原因となってなかなか改善しない出血が続くことがあります。
歯以外のすべての組織に影響を及ぼすため、進行すると歯が完全にぐらぐらになったり、唇や舌、顎などの感覚が無くなったりすることがあります。
■全身疾患の影響
血管に異常がある場合や、血液の病気を伴う場合、特に白血病などの初期の段階では、多くの場合、歯肉の出血が現れることがあります。