年をとると、水晶よりも硬く、きれいにそろっていた歯もいつの間にか虫歯や外形的な損傷(咬耗、摩耗、楔状欠損、歯牙破折など)が多くなります。
また歯が熱いものや冷たいものにしみたり、歯槽膿漏で動揺したり、噛み合わせで痛んだりしてよくものが噛めなくなってきます。
丈夫な歯が少なくなってくるので、咀嚼機能が急激に低下しはじめます。
そしてそれらが目に見えぬうちに胃や全身に大きな負担と影響を与えつづけるわけです。
また味覚機能も弱くなり、食べものに対する嗜好も変化してきます。
一方唾液の変化・減少は舌の運動や嚥下動作をおさえ、食欲の不振をひきおこします。
昔から「病は口から」といわれますが、逆に現代では「健康は口から」と言い直したほうがよいかもしれません。
歯科医の適切な治療や処置、アドバイスを受けて、自分自身で積極的に食生活に工夫をこらし、若者に負けない円熟した生活を楽しみたいものです。