誰でも自分の歯を削ることには抵抗があります。
虫歯のない健康な歯であればなおさらです。
しかし現代人の場合、あごの骨が小さめで、歯並びが乱れてしまうことが多いため、歯そのものは虫歯でなくても、全体を噛み合わせ面からにみると理想な状態とは言えないのも事実なのです。
ご存知のように歯の形態は複雑で、まるで凸凹した山脈のようです。
歯の1本1本にこの凸凹があり、その歯が湾曲しながら並んでいます。理想的な噛み合わせを分かりやすく例えるとノコギリ2本を湾曲させながら、ノコギリの歯と歯をぴったり合わせるようなもの。簡単にはいきません。
さらに噛み合わせた部分から、歯を前や左右にスライドさせる必要があります。
このあごの動きに対しても邪魔にならないよう、さらに歯の表面の山脈同士を合わせなくてはならないのです。
自然に並んだ歯並びでは、全ての歯がこの動きに合わせた形態で、さらにそれぞれの動きに調和した位置関係にきちんと並ぶことは困難です。
そのため健康な歯でも形や位置などに問題があれば、相手側の歯にダメージを与えることがあるので噛み合わせ面を削り、力を分散して負担を減少させる方が、歯としては長持ちするのです。