歯周病と脳梗塞
広島大学の細見直永先生(脳神経内科)らの研究で、脳梗塞の患者さんは歯周病菌に感染している割合が高いことがわかったそうです。
歯周病菌が血液を通じて全身をめぐり、脳梗塞の原因となる動脈硬化を引き起こしている可能性があるという研究成果が、日本脳卒中学会で発表されました。
研究グループは、脳梗塞患者132人と脳梗塞でない人111人の血液を調べ、歯周病菌に感染しているかどうかを調べて歯周病菌の量の平均値を比べたところ、脳梗塞患者は脳梗塞でない人より1.2倍高かったそうです。
脳梗塞は大きく分けて、
・頸動脈などの太い血管が動脈硬化などで詰まるタイプ
・脳の細い血管が詰まるタイプ
・心臓内でできた血栓が脳血管をふさぐ
という3種類があって、このうちの太い血管の動脈硬化が原因で起きる脳梗塞患者は、脳梗塞でない人に比べて歯周病菌の量が1.4倍と、他の2タイプの脳梗塞より高かったそうです。
細見先生らはさらに、脳梗塞の原因となる動脈硬化や脂質異常と歯周病菌とのかかわりを調べ、頸動脈の直径が75%以上詰まっている74人とそれ未満の169人を比べたところ、詰まっている人は歯周病菌の量が1.4倍、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの値が高い脂質異常症の人はそうでない人より1.5倍高かったという結果を報告しています。